オンラインセミナー「中東・北アフリカ・欧州広域電力網の経済分析~中東スーパーグリッドの経済的可能性」開催のご案内

湾岸協力理事会(GCC/Gulf Cooperation Council、加盟国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート)は、これまで加盟国全体のエネルギー安全保障を高めるため、送電線の相互接続を実現してきました。

GCCは狭い地域に集まっているため、気象条件や、電力の需要パターンが似通っており、送電線の相互接続があっても、電力融通のメリットがあまりありません。しかし、アラビア半島の北に目を向けると、トルコ経由の欧州や北アフリカなど、GCCとは様々な状況が異なる地域と近接しています。長距離送電網(スーパーグリッド)によりこれらの地域と電力融通を行えば、双方にメリットがあると考えられます。

GCCは、石油やガスの輸出に経済依存してきました。しかし近年、自国内でのエネルギー消費量が増加し、エネルギー資源の輸出余力が少なくなっています。GCCは日照時間が長く、太陽光発電を中心とした自然エネルギー発電の適地です。そのため各国は、自国産の石油やガスを輸出に回し、積極的に自然エネルギー発電を導入しています。これにより発電コストが低下すれば、ますます遠隔地との電力融通の価格競争力が向上すると予測できます。

この、広域電力網の構築で実際にどの程度の効果が見込めるかについて、定量的な評価ができないでしょうか。日本GIFは昨年度、東京理科大学理工学部の高嶋隆太教授(日本GIF評議員)に、「中東・北アフリカ・欧州広域電力網の経済分析に関する調査研究」を委託しました。今回のセミナーでは、高嶋教授に、研究の成果についてのご報告をお願いいたします。

本研究では、GCC送電網における加盟国や送電系統運用者であるGCC系統機関それぞれの発送電に関わる経済分析モデルを構築し、トルコ、北アフリカ(エジプト)、欧州送電網といった他地域との接続に関する施策の便益の算出を試み、本施策のメリット・デメリットについて地政学的なリスクも踏まえて評価を行っています。

日本GIFのオンラオンセミナーは、講師と参加者との質疑応答の時間を長めに取っております。中東地域や他地域との関係、中東の地政学、スーパーグリッド、広域電力網等に関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。また、関係部署等に、情報を転送していただければ幸いです。

開催日時:2022年5月27日(金)14時~15時半

開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)

☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。

参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。

(イベントは終了しました。)

※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。

高嶋 隆太(たかしま りゅうた)氏プロフィール

東京理科大学理工学部教授。

1976年生まれ、東京都出身。東京大学大学院工学系研究科博士課程中途退学後、東京大学助教、電力中央研究所協力研究員、千葉工業大学准教授、原子力安全研究協会研究参与などを経て現職。博士(工学)。 専門分野は、エネルギー経済学、経済性工学、政策影響評価。

<主な著書・論文>

  • Y. Chen, M. Tanaka, and R. Takashima, “Energy Expenditure Incidence in the Presence of Prosumers: Can a Fixed Charge Lead Us to the Promised Land?,” IEEE Transactions on Power Systems, Vol. 37, pp. 1591-1600, 2021.
  • Y. Chen, D. Zhang, and R. Takashima, “Carbon Emission Forensic in the Energy Sector: Is It Worth the Effort?,” Energy Policy, Vol. 128, pp. 868-878, 2019.
  • M. Goto, K. Nishide, and R. Takashima, “Leaders, Followers, and Equity Risk Premium in Booms and Busts,” Journal of Banking & Finance, Vol, 81, pp. 207-220, 2017.

☆本ページの印刷用PDF(116KB)

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