オンラインセミナー「ウクライナの『迅速かつ質の高い復興』実現に向けて―東日本大震災の事例から」開催のご案内

2022年2月に始まったウクライナ戦争の行方は見透せず、戦争が長期化あるいは固定化する可能性が指摘されています。ウクライナ支援の一環として、終戦を待たず、ウクライナのインフラ復興について検討する時期に来ています。

ウクライナの復興は、大規模災害からの復興というグローバルな課題でもあります。日本は災害復興について多くの経験を有しています。特に、2011年の東日本大震災からの復興では、現代的な様々な問題に、多くの人が知恵を出して対処してきました。その知見をウクライナの復興に活かすことは、日本の国際貢献として重要です。

復興の大きな課題は、「迅速かつ質の高い復興(quick and quality recovery)」です。迅速な被害の回復は住民にとっては最優先です。一方、質の高い復興を目指すことで、旧来の都市が持つ社会的・物理的諸課題を解決し、新たにより強靭なインフラを作るためのチャンスが得られます。

しかし、環境アセスなど通常時のインフラ建設の法的枠組みは、迅速な復興の妨げになる可能性があります。また、特にインフラ建設のための土地の収用や集団移住に関しては、個人の権利と公共の利益のバランスの問題を避けて通ることはできません。これは、当財団が研究を続けている、気候変動適応策としてのインフラ建設や移住に通じる普遍的な課題です。東日本大震災からの復興の現場では、これらをどのように解決したのでしょうか。

今回のセミナーでは、国際的な防災・復興に様々な立場から長年携わってこられた、東京大学客員教授、JICA国際協力専門員の石渡幹夫先生を講師にお迎えします。石渡先生は、2016年に『日本の防災、世界の災害―日本の経験と知恵を世界の防災に生かす』(鹿島出版会)を上梓されました。特に東日本大震災からの復興の経緯を踏まえて、ウクライナ復興における「迅速な復興」と「質の高い復興」の両立に向けての提言をいただきます。ウクライナ復興のマスタープランの策定に日本が貢献するために、どのような知見の提供が必要なのか、お話しいただきます。

日本GIFのオンラインセミナーは、講師と参加者との質疑応答の時間を長めに取っております。ウクライナ戦争とウクライナの復興、災害復興政策、東日本大震災の復興、ウクライナへの日本の国際貢献等に関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。また、関係部署等に、情報を転送していただければ幸いです。

開催日時:2023年5月29日(月)14時~15時半

開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)

☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。

参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。

(イベントは終了しました。)

※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。

石渡幹夫(いしわたりみきお)氏プロフィール

防災や水資源、環境、平和構築分野のODAプロジェクト、研究、教育に従事している。これまで、世界銀行では上席防災専門官として、「大規模災害からの復興:東日本大震災からの教訓」に従事し、「Learning from Megadisaster: Lessons from Great East Japan Earthquake(共編著):World Bank」、を出版している。国土交通省では17年にわたり、浜田河川国道事務所長、河川計画課企画専門官など、治水プロジェクトやインフラ整備、技術開発に携わる。アジア開発銀行都市開発専門官、クランフィールド大学防災研究所人事院派遣研究員を歴任。日本学術会議・東日本大震災復興支援委員会災害に対するレジリエンスの構築分科会特任連携会員を務める。現在、日本水フォーラム理事、CWSアドバイザー。防災、気候変動適応、水資源に関わる学術論文、著作多数。博士(国際協力学)。

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