中国やインドを中心とした人口増や経済成長に伴って、アジア地域の水資源が注目を集めています。「世界一のダムビルダー」と呼ばれて久しい中国。限られた水資源を中国がどのように開発していくかに対し、周辺国が神経を尖らせています。中国が擁する国際河川のうち、中国は大半で上流の位置にあり、上流側の資源開発は下流国へ多大な影響を及ぼすからです。中国は果たして、周辺国の懸念を顧みない「水覇権」を行使しているといえるでしょうか。
日本GIFは長年に渡って、国際河川の管理とインフラストラクチャーの問題について取り組んできました。今回のオンラインセミナーは、ジャーナリストとしてのご経験を持つ、大和大学の天野健作教授を講師としてお迎えいたします。
本講演では、メコン川、ガンジス川、インダス川、マハカリ川に加え、その開発がヴェールに包まれていたブラマプトラ川(中国名・ヤルツァンポ川)を扱います。ここでは、世界最大の水力発電所である三峡ダムの3倍となる発電量を見込む「墨脱ダム」の建設計画があります。
水資源をめぐって国際紛争が生じないための条件は何か。アジアの水資源紛争を読み解き、紛争防止のための枠組みを探ります。
日本GIFのオンラオンセミナーは、講師と参加者との質疑応答の時間を長めに取っております。アジアの水資源開発、国際河川管理、中国と周辺国との関係、水資源紛争等に関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。また、関係部署等に、情報を転送していただければ幸いです。
開催日時:2022年1月20日(木)14時~15時半
開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)
☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。
参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。
(イベントは終了しました。)
※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。
天野 健作(あまの けんさく)氏プロフィール
大和大学社会学部教授(2021年~)。専門は地球環境学、国際水資源、ジャーナリズムなど。1974年愛知県豊田市生まれ。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了(人間・環境学修士)。ニューヨーク大学国際関係学プログラム課程修了、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了(国際協力学博士)。1999~2020年、産経新聞社記者。記者時代は環境省、原子力規制委員会、厚生労働省、東京都庁、警察・検察、北朝鮮拉致問題などを担当し、戦地や災害を含め国内外の現場を回った。
<主な著書・論文>(いずれも単著)
(予定)『水覇権 アジアの資源紛争を読み解く』(2022年、ミネルヴァ書房)
『原子力規制委員会の孤独』(2015年、エネルギーフォーラム)
「気候変動による水資源への影響に関する中国とインド―国連気候変動枠組み条約における報告書の意義付け―」『水文・水資源学会誌』34(6)、367-376頁、2021年
「インドの国際河川における紛争防止メカニズムの比較考察」『国際政治』186、146-158頁、2017年
「国際水資源の利用における中国の多国間アプローチへの展開」『中国研究月報』70(10)、1-13頁、2016年
「中国の国際河川における紛争防止メカニズム要因の比較考察」『人間と環境』42(3)、2-17頁、2016年
「インドの国際河川における合意の履行比較-インダス川,ガンジス川,マハカリ川,ブラマプトラ川-」『水文・水資源学会誌』29(3)、176-185頁、2016年
「ブラマプトラ川の水資源をめぐる中国とインド:対立と協調の考察」『アジア研究』61(2)、55-68頁、2015年
「メコン川の水資源をめぐる中国と米国」『水文・水資源学会誌』27(2)、77-83頁、2014年
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