インド洋に位置するモルディブ共和国の一般的なイメージは、小さな島が散らばる美しい海や豪華なリゾートでしょう。しかし、それはモルディブの一面に過ぎません。モルディブは今、小島嶼国のフロントランナーとして注目すべき国の一つです。今回のオンラインセミナーでは、JICAモルディブ支所長としてご活躍の髙城元生氏を講師にお迎えし、モルディブの現状について、現地から最新情報をお伝えいただきます。
モルディブは21世紀に入ってから各地で大規模な観光開発を進め、結果として国民の所得は急激に向上しました。漁業を中心としたこれまでの産業構造が変化し、特に首都マレを中心とする地域では、人々の生活様式や価値観も変わりつつあります。
モルディブは、サンゴ礁の砂礫で国土が形成されている国(環礁国)です。平均海抜が1.5m程度と低いため、気候変動による海面上昇の影響を最も早く受けると考えられています。その対策として、政府による海岸防護事業の実施や、緑の気候基金(GCF)の資金を活用した、自然を活かした協力事業なども開始されています。
一方で、モルディブでは急速に、埋め立てによる人工島の造成や、島の拡張などの開発事業も進んでいます。これらの事業費はモルディブの財政を圧迫するとともに、公的債務の増加に繋がっています。モルディブ政府の大口の対外債務国は中国・インドですが、昨年11月の政権交代後、伝統的にモルディブと親しい関係にあったインドとの間に緊張が生じています。埋め立てによる開発が環境に及ぼす影響も懸念されます。モルディブはこれからどこに向かうのでしょうか。
日本GIFのオンラインセミナーは、講師と参加者との質疑応答の時間を長めに取っております。モルディブや小島嶼国・環礁国、気候変動適応策、インド洋地域の地政学などに関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。また、関係部署等に、情報を転送していただければ幸いです。
開催日時:2024年7月25日(木)14時~15時半
開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)
☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。
(イベントは終了しました。)
参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。
※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。
髙城 元生(たき もとお)氏プロフィール
(独)国際協力機構(JICA)モルディブ支所長
2022年5月より現職。海外勤務はインドネシア事務所(2001〜2005年)及びパキスタン事務所(2013〜2017年)駐在に続き3度目。JICA本部では主に技術協力事業の案件形成・実施監理・事後評価業務に従事。この他、国際協力銀行(JBIC)出向や九州大学出向(特任教授)も経験。1996年ロンドン大学(SOAS)大学院修了(経済学修士)。国際開発学会、日本評価学会所属(評価士)。
モルディブ関連では朝日新聞デジタル版に取材記事が掲載(『ハネムーンで人気のモルディブってどんな国?親中派政権誕生の実態は』(2023年11月9日掲載)
(https://www.asahi.com/articles/ASRC85KFRRBHUHBI02L.html?iref=pc_rensai_long_224_article)
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