近年、政策分野で重視されるEBPM(エビデンスに基づく政策形成)は、国際関係においても重要なテーマです。しかし、国家間で共有されるべき「エビデンス」そのものが国家間の対立を引き起こしたら、どうなるのでしょうか。
本セミナーでは、2019年にメコン川で発生した干ばつをめぐる一連の事象を、具体的なケーススタディとして取り上げます。この干ばつの原因について、米国のシンクタンクが衛星データを基にした分析結果を公表し、上流国である中国のダム運用との関連を指摘しました。一方、中国も自国のデータを基に反論し、国際的な論争に発展しました。
中国は、従来限定的であった上流域の水文データを、通年で下流域のメコン川委員会(MRC)と共有することを表明し、実際に2020年11月から提供を開始しました。中国の政策変更は、どのような背景からなされたのでしょうか。エビデンスは結局、国際的な協調関係の構築にどう寄与したのでしょうか。
本セミナーでは、本件に関する論文の執筆者であるアジア経済研究所の大塚健司氏を講師にお招きし、この一連のプロセスを「科学と政策のインターフェース」の観点から分析していただきます。エビデンスがどのように解釈され、時に政治的な文脈で利用されるのか、そしてそれが、いかにして国家間の協調という具体的な成果に結びつき得るのか。メコン川の事例を通じて、複雑な国際環境ガバナンスにおけるEBPMの可能性と課題を考察します。
国際関係、国際河川管理、環境ガバナンス、水資源問題、東南アジア地域研究などに関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。また、関係部署等に、情報を転送していただければ幸いです。
開催日時:2025年9月29日(月)14時~15時半
開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)
☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。
参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_YM6qnhutR6e4NCDXayyD_g
※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。
※受講証明書の発行をご希望の方は、セミナー終了後のアンケートフォームよりご連絡ください。
大塚 健司(おおつか けんじ)氏プロフィール
日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所 新領域研究センター 環境・資源研究グループ長
1993年にアジア経済研究所に入所後、中国の環境問題に関する研究に着手。北京での在外研究を経て、都市住民の環境意識、環境NGOと公衆参加、環境政策過程などについて研究を進める。近年は、中国の環境問題に加え、中国と東南アジア諸国が関わるメコン川流域の越境水資源ガバナンスについても研究を行っている。博士(環境学)。研究分野は、中国・東アジアの環境問題、水・流域・環境ガバナンス。
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