オンラインセミナー「世界のチョークポイントと新航路の評価」開催のご案内

2021年3月23日、スエズ運河で、日本の企業が保有し台湾の企業が運用する巨大コンテナ船が強風にあおられ、運河を塞ぐ形で座礁するという事故が発生しました。コンテナ船は6日後の3月29日にようやく離岸しましたが、この間スエズ運河は他の船舶が通航できない状況が続き、世界の物流に多大な影響を及ぼしました。

スエズ運河は欧州とアジアを結ぶ交通の要所で、世界の代表的な「チョークポイント」の1つです。チョークポイントとは、軍事地理学や地政学の用語で、その1点を押さえることで航路全体(線)や海域(面)を制圧できる、戦略的に重要な海上水路です。現代では、物資やエネルギー資源が世界的に取引されているため、国の安全保障の観点から、チョークポイントの重要性は増大しています。特に日本は原油の供給を中東地域に大きく依存しているため、その輸送路に当たるペルシア湾のホルムズ海峡やマレー半島のマラッカ海峡が、日本のエネルギー安全保障の鍵を握る存在となっています。

この度、中央大学理工学部准教授の鳥海重喜氏を講演者にお迎えし、「世界のチョークポイントと新航路の評価」についてのオンラインセミナーを開催いたします。鳥海准教授はオペレーションズ・リサーチの専門家で、地理情報システム、ロジスティックス、航路ネットワーク、交通計画、都市・地域計画についてのご研究で多くの論文を発表されています。

今回のセミナーでは、3月のスエズ運河での事故を振り返り、世界のチョークポイントとその現状、日本及び世界の物流・環境等への影響を、実際の船舶の航行データ等のビッグデータを用いて、動画等で可視化していただきます。また、日本GIFが既存のチョークポイントの代替・補完経路として長年研究を続けてきた「北極海航路」やタイの「クラ運河構想」等の新航路について、その可能性や評価の手法についてお話しいただきます。今回は、セミナーにご参加のみなさまとの質疑応答の時間を、長めに取らせていただく予定です。

世界の海上輸送、物流や貿易、エネルギー安全保障、ビッグデータを用いた解析等にご関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております。

開催日時:2021年7月16日(金)14時~15時半

開催方式:Zoomを使用したウェビナー(オンラインセミナー)

☆事前のご登録を下記よりお願いいたします。

参加費:無料、どなたでもご参加いただけます。

(イベントは終了しました。)

※Zoomの仕様上、お名前を日本語で入力されると、ご登録確認メール記載の姓名が逆転いたします。ご容赦いただきますよう、よろしくお願いいたします。

鳥海 重喜(とりうみ しげき)氏プロフィール

1997年中央大学理工学部情報工学科卒業、1999年中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻修士課程修了。1999年-2003年キヤノン株式会社、2007年中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了、博士(工)。2007年-2008年(独)海上技術安全研究所、2008年-2010年中央大学理工学部任期制助教、2010年-2014年中央大学理工学部助教、2014年-中央大学理工学部准教授。

(研究者情報データベース)

https://researchers.chuo-u.ac.jp/Profiles/2/0000184/profile.html

https://researchmap.jp/read0128618

☆本ページの印刷用PDF(188KB)

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